音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


Music Catalog Clinic

Music OCLC Users Group Newsletter No. 95 June 2007から


1.演奏時間と「音楽作品」

Q 録音資料の演奏時間に関する規則を、四苦八苦しながら読んでいたら、音楽作品の定義がよくわからなってきました。AACR2の定義によれば、「グループとしてのタイトルを持つ一組の作品(必ずしも全体を通して演奏することは意図されていない)」も、1つの音楽作品と数えます。となると、総合タイトルを持つアルバムは、すべて1つの作品になりませんか?ポピュラーで、1人のアルバムがそうなるのはわかります。複数の作曲者では、どうなりますか? 4人の作曲者の4曲が入っているクラシックCDで、総合タイトルがある場合は、この範疇に入りますか。絶対こうだという回答を求めているわけではありません。この問題を考える際のヒントをいただければ、と思います。よろしくお願いします。

A まず思い出していただきたいのは、AACR2における<work 著作>の概念は、FRBR(Functional Requirements for Bibliographic Records: 書誌的記録の機能要件)が作られるよりずっと以前からあったということです。こちらのほうでは、<work 著作>はかなり広く、包括的に捉えられています。AACR2の<musical work 音楽作品>の定義は、以下を含むようになっています。1)全体を通して演奏することが意図された作品(個々の交響曲、1つのオペラ、歌1曲など) 2)全体をあらわすタイトルをもっているが、全体を通して演奏することを意図しているとは限らない作品(作曲家の交響曲全曲、連作歌曲、など)、3)単独の作品番号をもつ音楽作品のグループ。明らかに、この定義は西洋の<芸術>音楽に偏っています。総合タイトルを持つアルバムや、CDをみな含むことなど意図されていません。複数の作曲者によるものは、当然、除外されます。ポピュラー音楽のアルバムの中には、AACR2の<音楽作品>の定義にあてはまるものが無いわけではありません(ロックオペラとか、ある種の<コンセプトを持ったアルバム>など)。しかし、非常に稀だと思います。ポピュラーものの録音で、フィールド 300に、全体の演奏時間を入れることは、通常ありません。また、シリアスもので、複数の作曲者のアルバムに対して、フィールド300に全体の演奏時間を入れることは、決してありません。
 

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