音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


Music Catalog Clinic

Music OCLC Users Group Newsletter No. 92 June 2006から

3. フィールド245 複数の独立したタイトル

Q この245についてどう思いますか。
   245 14 The zoo : $b a song cycle for young voices, with piano accompaniment.
                 $n 4, $p Monkeys. $5, $p Ducks / $c words and music by W.H. Belyea.

資料の外観。タイトルページはリストタイトルページ風ですが、価格は入っていません。(AACR2では、リストタイトルページの要件として価格は含まれていないが、シートミュージック・カタロギング・ガイドでは含まれている)。ページの先頭は次のとおり。

   THE ZOO [太字 大文字 このページで最も大きな活字]
             A Song-Cycle for Young Voices
       with piano accompaniment (斜体)
    words and music
                    by
             W.H. Belyea

 

その下に9つの歌のタイトルが並んでいます。大文字ですが、先頭のTHE ZOOよりも活字はずっと小さくて2段組。
   1. Come to the Zoo    6. Peacocks
   2. Giraffes           7. Elk
   3. Elephants          8. Kangaroos
   *4. Monkeys          9. Bears
   *5. Ducks  

出版物に該当する曲名には星印がついています。この場合は“Monkey”と “Ducks”。
この出版物では、見出しには各ピースの曲名が挙げてあり、この2曲は全体で2ページ。
   No. 4 Monkey
1ページ半行ったところに。
   No. 5 Ducks
見出しにはこれ以外一切情報がありません。さて245に戻ります。今存在するバージョン(”The zoo : $b a song cycle for young voices, with piano accompaniment. $n 4, $p Monkeys. $5, $p Ducks / $c words and music by W.H. Belyea”)では、DucksがMonkey に属している区分のように思えます。AACR2 1.1B9では:

   ある資料の補遺である資料や、ある資料の一部分をなしている資料の本タイトルが、 
   文法的に連結しない2以上の部分にわかれている場合は、著作本体のタイトルを
   最初に記載し、そのあとに補遺的資料や部分のタイトルを、それらの依存関係順
   に記載する。本タイトルの各部分はピリオドで区切る。
   
   Journal of biosocial science. Supplement
   (資料上のタイトル
        JOURNAL OF BIOSOCIAL SCIENCE
        Supplement…)
   Faust. Part one

この規則では2つ以上の部分が存在する状況があることを認めているが、例に挙げられているのは部分が1つのケースです。直面している問題は、2つの部分があり、それぞれは全体の一部であって、もう一方の部分ではないというものです。「それらの依存関係順」が何を意味するのか、館内で意見がわかれています。カタロガーの一人は、この245ではそれぞれの部分を依存関係順に記載している、なぜなら4は5の前にきている、と言います。一方私は、”Journal of biosocial science. Supplement. Part 1”のように、それぞれがピリオドの直前の要素に依存するような場合が依存関係順になると思います。(Part 1はSupplementの一部であって、Journal of biosocial scienceの、ではない)。私の考えでは、リストタイトルページの順番は依存関係順ではありません。それぞれの歌の本タイトルに対する依存度は同程度です。DucksはZooの一部であり、Monkey もZooの一部です。これでは245を作るのに何の助けにもなりません。私の頭に浮かぶのは次だけです。

   245 10 Monkeys : $b Ducks / $c words and music by W.H. Belyea.
   500 From The zoo : a song-cycle for young voices, with piano accompaniment.

この解決の問題点は歌の番号が入らないことです。もう一つの問題は全体の連作歌曲のタイトルが、リストタイトルページでは非常に顕著であるにも関わらず、目立たなくなってしまうことです。同僚カタロガーの提案は次のとおりです。

   245 14 The zoo : $b a song cycle for young voices, with piano accompaniment.
        $n 4, $p Monkeys ; $n 5, $p Ducks / $c words and music by W.H. Beylea.

Monkeysの後がピリオドからスペース、セミコロン、スペースに変わっています。少なくともこれで、”Ducks”が”Monkeys”に属している一区分ではないということは示されます。でも、$nをセミコロンの直後に持ってきて良いかどうかわかりません。なぜなら、$nはどこに依存しているか明確でないからです。ワイツさんなら、どうされますか。245は先ほどの形で問題ありませんか。それ以外の提案のほうがマシですか。それとも他に何かお考えをお持ちですか。どうぞよろしくお願いします。

A これはどうもやっても完全に納得できる答えが--少なくとも私には--出せない問題のようです。
最初の構造 (…$n 4, $p Monkeys. $n 5, $p Ducks / $c words …)とAACR2 1.1A1, 1.1B9の関連、またあなたの同僚の(全体に属していて、互いに属しているのではない)2つの部分をスペース、セミコロン、スペースで分けるという提案(…$n 4, $p Monkeys ; $n 5, $p Ducks / $c words …)と1.1G3の関連について、いくらでも白熱した議論が展開できるでしょう。よくあることですが、ISBN句読法は、一つの書き方が一つの意味を示すという関係を保障できるほど記号が十分ではありません。そこで、ピリオド止めは、相互に関係せず、依存しないタイトルどおしを分けることもある一方、依存関係を示すという場合もありえます。

この2つの扱いのどちらに反論することも可能でしょうが、私としては異なるタイトルのセットをピリオドで区切るほうに賛成します。理由は2つ。ひとつは審美的理由。もう一つは、1.1B9が特に従属的タイトルのために定められた規則だからです。お気づきのように規則本文は、複数の「補遺である資料」やある資料の一部分をなしている資料」を明確に認めており、「本タイトルの各部分はピリオドで区切る」と結んでいます。今回のケースでは、番号付けがあることによって、4部と5部が相互に依存していない事はわかるのではないか、少なくとも私はそう思います。

上記と全く別の解決方法、――私としてはお勧めしませんが――は、Zooを構成するそれぞれの資料に対してカタロガーが番号を付与する、というものです。もちろん、この前提として、9つの従属的な曲がどのように出版されたか(つまり4番5番が第2巻として、あるいは第3巻として出版された、など)がよくわかっていなければなりません。この場合、サブフィールド $nに角カッコに入れた巻号を記載し、2つの従属的部分タイトルは内容注記に格下げすることができます。この解決策は難問を見事解決してくれますが、技巧に走りすぎて、私の趣味ではありません。2つの部分タイトルを総合タイトルではない本タイトルとするというあなたの提案も、似たような因習打破の香りがしますが、1.19Bの精神を踏みにじるような気がしてなりません。

一緒にお尋ねの質問について。「依存関係順に」というフレーズについては、書かれている文章全体から解釈されなければなりません。「ある資料の補遺である資料や、ある資料の一部をなしている資料の本タイトルが、文法的に連結しない2以上の部分にわかれている場合は、著作本体のタイトルを最初に記載し、そのあとに補遺的資料や部分のタイトルを、それらの依存関係順に記載する」。この文脈では、著作本体から階層的順番で従属していることを十分明確に示していると思われます。本タイトルに関する一般的規則 1.1B1「本タイトルは、言葉づかい、語順、つづり字を正確に転記するが、句読法と大文字使用法に関しては、必ずしもこの限りではない」に対する明確な例外規定として、おそらくこのような書き方になったのでしょう。別の言い方をすれば、主タイトルと従属するタイトルがある場合は、資料にどのように書かれていても、主タイトル、従属的タイトルの順番で転記する、ということです。

関連Q
うーん…。回答ありがとうございます。ピリオド付きバージョンは、私としては叫びだしたいくらい間違っているように思えます。存在しない従属関係を示唆しているようで。でもワイツさんの目に正しく見えるのなら、私の視力を調性するしかないか。でも統一タイトルの中だとしたら絶対に間違いですね。1つの統一タイトルのなかに2つのタイトルが付いた作品なんてありえません。多分、私の頭の中で、「間違い」サインが点滅するのはそのせいだと思います。従属関係については、次のような理解でよろしいでしょうか。これは私が提示したケースと何も関係がない、ただピリオドの使用についてこの規則で述べられているだけだ。ワイツさんの答えはつまり、Zoo. Ducksであって、Ducks. Zooとはならない、ということですね。もしタイトルページには逆転して書いてあっても、そうだということですか。

関連A
正直言って、どちらの解決策も正解には見えないし、感じられませんね。しかし考えれば考えるほど、1.1B9に従うほうが正解に近くなるだろうと思えます。この規則は従属的タイトルについて特に規定した規則です。1.1G3はそうではありません。そしてご指摘のとおり、1.1B9では複数の「ある資料の補遺や、ある資料の一部をなしている資料のタイトル」を明確に認めています。そして、補遺や一部のタイトルが複数だった時に、単数の時とは異なる扱いをせよという指示は一切ありません。これらをしげしげと注意深く読んだ結果、あなたが示されたケースにおいてピリオドを使うことになりました。少なくとも私はそのように解釈します。

タイトルと責任表示エリアの解析と、統一タイトルの作成を類推的に論じるべきではないと思います。前者の本質は、表示されている情報を転記することです。それがどんなに複雑でも(複雑さが規則を混乱させています。これがそのケースな訳です)、ぎりぎりのところで、規則に準拠しつつ、つじつまがあうような方法で転記する必要があります。他方、統一タイトルを作成することの本質は、厳密な論理に基づいて識別子を組み立てていくことであり、書誌情報源からデータを転記することとは直接の関連はほとんどありません。統一タイトルに関する規則は、句読法も含め、別に定められています。おっしゃるとおり、統一タイトルにおいて2つのタイトルが先のような形で表されることは決してありません。

依存順について言えば、おっしゃるとおりです。タイトルページにおいて、もしも部分のタイトルが集合的タイトルの上にあったとしても、書誌レコードにおいては、「依存順」に転記しますから、「集合的タイトルがまず来て、次に部分のタイトル(複数の場合も)となります。これは、言ってみれば、1.1A2「データの要素は以下の規則が配列されている順序に記載する。そのためにたとえデータの順序を変えることになってもかまわない」という規定を別の形で表現しているようなものでしょう。





 

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