音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


Music Catalog Clinic

Music OCLC Users Group Newsletter No. 91 December 2005から

 

10. DVD/CD/冊子のパッケージ

Q 昨日、目録するのがかなり難しい資料を発見しました。もちろんオリジナル・カタロギングが必要です。DVD/CD冊子のパッケージです。冊子は70ページ、ハードカバー製本で、箱が二つありそれが一つにまとめられています。上の箱にはDVDが、下側の箱にはCDが付いています。DVDとCDには同じ演奏が納められています。
フリードリヒ・グルダがベートーヴェンのエロイカ・コンチェルト[書き間違い:コンチェルト皇帝]をウィーンフィルと演奏していて、指揮はジョージ・セル、グルダはバッハの半音階的幻想曲とフーガも演奏しています。いずれも1960年代の録音です。私はまず主要なフォーマットを採用する必要があると判断して、DVDを選ぼうとしました。もう同僚達が私の下書きレコードの点検をしてしまったのですが、この出版物はワイツさんの見解をお尋ねしたいいくつかの問題を提起しているように思いますので、ぜひお願いします。
1. 固定長 言語: 音楽カタロガーとしては、このコードはN/Aとしたいと思います。が、これは、
  AV資料については、標準的ではないですね。言語を採用しない場合、問題が起きます。冊子
  の主要言語、DVDとCDの表、DVDメニュー画面は英語です。動画上についているテキストは 
  わずかですが(最初の作品のみ)、ドイツ語です。第2作については、動画には言語はありま
  せん。ただし、グルダは自分が演奏する作品の名前をドイツ語で告げています(全部でたった
  6語ですが)。さらにややこしいことを言えば、これはフランスで出版され、解説は英語、フラン
  ス語、ドイツ語です。
2. 260はp2004か、c2004か: 両方ともがDVDとCD上に記載されています。主要なフォーマットを
  DVDとした場合、260$cにはどちらを記録するべきでしょうか。
3. フィールド300: 私としては、フィールド300を次のように考えました。300 “1 videodisc (54
  min.) : $b sd, b&w ; $c 4 3/4 in. + $e 1 sound disc (digital ; 4 3/4 in.) + 1 booklet (70 p. : ill. ;
  14 cm.) “ 同僚は、これら全てが一つのまとまりになっていることを示すほうが良いと主張しま
  す。”1 videodisc (54 min.) : $b sd, b&w
  ; $c 4 3/4 in. + $e 1 sound disc (digital ; 4 3/4 in.) + program notes (70 p. : ill. ; 14 cm.) all
  bound together in one booklet (14 cm.).” これ以外に、簡潔で全てを言い表すような方法があ
  るでしょうか? ついでに、冊子の約半分は、出版者Andanteの宣伝です。しかしながら、全て
  にページが付けられています。そうそう、もう一つあります。冊子bookletと本bookの境目はどこ
  でしょう。この資料はハードカバー製本なんです。
4. 合体500か、個別の500/538フィールドにするか。この出版物を最も簡潔に言い
  あらわしたいと思っています。次のような500の注記を見つけました。「DVDとCDには同じ演奏
  が入っている」”DVD and compact disc contain the same performance”。同僚は、これに付け
  加えて、標準的な形態注記、(538にDVD注記、500にコンパクト・ディスク”Compact disc”注
  記)をつける必要があるのではないか、と言います。それとも、これはやり過ぎでしょうか。
5. 演奏時間の差をどう扱うか。解説には、内容曲が一つの表にまとめて書いてあります。2つの
  列に分かれて各トラック数が表示されていて、1列がDVD、もう1列がCD用です。時間は1箇所
  にしか書いてありません。しかしながら、DVDを観て判断するに、これは不正確なようなので
  す。解説に書いてあるのは、CDの時間です(こちらには拍手の時間が含まれていないようなの
  です)。具体的に言いますと、DVDの演奏時間は、次の通りです。44:08 (第1作品); 9:55 (第2
  作品)。解説には、それぞれの時間は、40:25と9:36となっています。私は内容注記を書く必要
  があるのですが、普通はそこにだけ演奏時間を記録するのです。DVDとCDに同じ演奏が入っ
  ているので、作品名は一度だけ列記したい。次のような505注記にはしたくないのです。505
  “DVD. Emperor concerto / Beethoven (44:08) ; Chromatic fantasy and fugue : BWV 903
  (9:55)—CD. Emperor concerto / Beethoven (40:25) ; Chromatic fantasy and fugue : BWV
  903 (9:36)。この状況を書き表すのに、かわりに次のような演奏時間注記をつけてもよいもの
  でしょうか。”500 Durations: on DVD: 44:08; 0:55. On CD: 40:25; 9:36”。 今回私が一番困って
  いることは、505まで作品名が出てこないということです。(タイトルは、次のように決めてしまい
  ました。”Friedrich Gulda $h [videorecording]: $b Beethoven, Bach”)。助言をお願いします。

A いったいどこで見つけましたか、この代物を?これ一つだけで、ワークショップが一回できそうですね。あなたがなさったように、まず主な形態を選ぶというのが、最初のそして最も重要な決定です。DVDを選択して、他が付録資料とみなすのも妥当だと思います。録音資料に付録資料が付いていると考えたほうが言語の選択は楽だったかもしれませんが、DVDとするほうが道理にかなっているでしょう。
1. 言語については逆にお尋ねします。DVDのタイトル、およびクレジット画面は何語(複数も)で
  書かれていますか。(あなたの説明に出てくる「動画上についているテキストはわずか」という
  のが、タイトル/クレジット画面なのかそうでないのか判断できませんでした)。MARC21の映
  像資料の言語固定長フィールド(008/35-37)の説明を読むと、言語内容は、「付録の印刷され
  た脚本(音がない作品、または音があっても語りが入っていない作品の場合)」で決定すること
  を認めている。AACR2 7.7B2には「映画またはビデオ録画の中で話され、歌われ、または書か
  れている言語(複数も)記載する」とある。話されている内容というのがたまたま口にした数語と
  いうのを見た(と言うより文字通り耳にした)場合は、映写されたタイトルやクレジット、そして付
  録資料で主な言語が何かを見ていく必要があるでしょう。主な言語は英語のように思えます。
  たぶんそれが008/35-37に一番適切な選択でしょう。複数言語について(タイトル/クレジット
  について、話された数語について)詳細を注記に記録することも可能です。付録資料について
  説明する注記の一部として書き、それを041に記録していくことも可能です。
2. フォノグラムコピーライトのp年は、録音された音に対してのみ適用されます。DVD資料を主要
  フォーマットとして選択した以上、「c2004」がフィールド260、サブフィールド$cに入ることになり
  ます。(CDのp2004を含め)他にも重要な出版年があるならば、それを注記に記録するのは悪
  い考えではありません。
3. 「冊子booklet」という用語は正規の用語です(AACR2の例示にも多く出てきます)が、私の知
  る限りAACR2に定義は載っていません。個人的には、『冊子booklet』と言うとハードカバーでは
  なくて紙表紙のものを思い浮かべますが、これはあくまでも私が、と言う意味です。最初考えた
  のは、提案されたフィールド300、サブフィールド$eにbookletを使うのを少し変えて、$e 1 v. (70
  p. : ill. ; 14 cm.)として、物理的な状態について注記に説明するということでした。その後、関連
  規則と容器/付録資料/イン・ポケットの扱いを各章でどう書いてあるか徹底的に調べた結
  果、私は考えを変えました。付録資料に関するどのX.7B11規則を読んでも、同じことを強調し
  ているのです。「形態記述エリアにも記載されず、かつ個別の記述にもなっていない付属資料
  は、その細目を記載する(1.5Eを見よ)」。これを読むと、付録資料については、形態記述に記
  載するか、または注記に付録資料について記載するか、どちらかを選ぶように言われている
  のであり、両方せよとは言われていません。このように理解した上で、私の考える解決策は次
  のとおりです。(フィールド300で全体の容器について記述し、付属資料については注記に記載
  するというやや姑息なやり方でX.7B11の制限違反を回避する)。sdの後のピリオドに注意してく
  ださい。“1 videodisc (54 min.) : $b sd., b&w ; $c 4 3/4 in. + $e 1 sound disc (digital ; 4 3/4 in.)
  , in container 13 x 14 x 3 cm.’ このcontainer 容器というのをもっと具体的に説明したければ、
  ――適切な言葉が思いつけば――しても構いません。もちろん高さ×幅×奥行は、当てずっ
  ぽうで書きました。それから、付録資料についてとか、DVDとCDが小型ポケットに入ってそれ
  がパッケージになっているというようなことを注記に自由に書くわけです。77「解説は英語、フラ
  ンス語、ドイツ語(70 p. : ill.)容器入り; DVDとコンパクトディスクはポケット入り」。もちろんい
  ずれの場合も、別々の注記にしても構いません。
4. 私が見たところでは、538のDVD注記は書く必要はありません。最初の500注記に肝心な詳細
  を書くことができます。(5番参照)。”Compact disc“という追加注記も不要な重複のように感じ
  ます。
5. DVDを主要フォーマットとして選んだ以上、DVDの内容と演奏時間だけを注記505に書き表す
  ことができます。”Emperor concerto / Beethoven (44:08) ; Chromatic fantasy and fugue :
  BWV 903 (9:55)”。さらに提案すれば、4番で説明した500の注記をさらに念を入れて「DVDとコ
  ンパクトディスクは同じ演奏を収録; CDの演奏時間がそれぞれ(40:25  9:36)と短いのは拍手
  の時間を含まないため」と書くことくらいです。もっと適切な表現にしてください。
フー、しかし面白かったね。








 

ジェイ・ワイツの目録Q&Aに戻る
報告・論文・情報に戻る