音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


著作権トピックス(2003.10.1-2004.5.31)
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著作権専門委員会-


 
     

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□参照した新聞:

日本経済新聞、日経産業新聞、日経流通新聞、日経金融新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞

□参照期間:    

2003.10.1-2004.5.31


●地上デジタル放送開始、著作権保護、厳格に

* NHKと地上波民放系BSデジタル局5社は、9月30日、BSデジタル放送でデジタル録画を1回のみに制限する「コピーガード」を来年4月から導入すると発表。11月からデジタル放送は開始され、2004年4月5日より、コピーガードがスタートしました。デジタル放送の番組をデジタル対応ビデオで録画すると、画像や音声が劣化せず、ダビングが無制限に繰り返せるため、こうした行為を防ぎ、著作権を保護するのが目的とのことです。
* 関連記事は、10/1毎日、10/22朝日、11/13日経産業、11/18東京読売、日経、日経産業、朝日、毎日、毎日大阪、11/20日経(夕)、11/24朝日、毎日、11/25朝日、2004/4/5日経産業、毎日等。

●「貸与権」をめぐる動き−文科省、改正案提出

* 2003年6月に作家に貸し出しの権利を認める「貸与権」の獲得をめざして、出版15団体で構成する「貸与権連絡協議会」が発足しましたが、その後の動きとしては、2004年1月14日に文化審議会著作権分科会が、書籍や雑誌の有料レンタルにあたって著作権者に一定の「使用料」が支払われるよう制度を見直すことなどの検討結果を報告書としてまとめ、文部科学省は、1月19日からの通常国会に報告書に沿った著作権法改正案を提出しました。これに対し、漫画レンタル店等から反対の声も挙がっています。
* 関連記事は、10/27日経、12/19日経、2004/1/8朝日、1/14日経(夕)、毎日(夕)、毎日大阪(夕)、東京読売(夕)、1/15日経産業、3/17日経産業、3/21日経、3/31朝日、4/11毎日等。

●「公貸権」めぐり、論議起こる

* 現在、日本では「非営利目的」で「無料」の場合は、本やカセットテープなどの公衆への貸与について権利が制限されていますが、ヨーロッパでは、図書館での本の貸し出しについても「補償金制度」の導入が進められています。このように、「非営利・無料の貸与」について「補償金」を受ける権利は「 公貸権」(公共貸与権)といわれています。現在「映画の著作物」のみに付与されている「公貸権」を、将来「図書館の書籍」等に拡大する動きがみられ、権利者側、図書館、利用者から様々な論議が起こっています。
* 関連記事は、10/10大阪読売、11/2日経、11/28毎日(夕)等。

● 図書館が時代に合わせて変身中

* 「電子図書館」のサ−ビス等、インターネット時代に対応した図書館の動きが話題を呼んでいます。11月14日に朝日新聞が「時代に合わせて変身中 図書館」と題する社説を発表した他、「郷土史料、自宅ネットで閲覧、県立図書館HPサービス/福島」(10/16朝日)、「電子図書館システム 論文や書物の登録進む」(11/22東京読売)等の記事が見られます。
* また、図書館の複本や新刊貸し出しの問題で、作家と図書館が共存を模索するという傾向も見られます。関連記事は、11/12東京読売、11/28毎日「公共図書館『新刊貸し出し』新たな動き 作家の権利と読者の希望」等。

●実演家の権利に脚光、「声の2次使用料」認める判決

* 実演家の権利拡大は世界知的所有権機構(WIPO)で論議されるなど、世界的傾向で、氏名表示などの人格権については2002年の法改正で認められました。しかし、テレビ用アニメのビデオ化に伴う二次使用料は支払われていませんでした。11月6日の東京地裁の判決で音響映像システムに請求どおりの支払いを命じ、脚光を浴びました。
* 関連記事は、11/7日経産業。

●海外版CD逆輸入禁止、著作権法改正案可決

* アジア各地で生産・販売される日本アーティストの廉価なCDの逆輸入を防ぐため、著作権法改正案を11月に政府が国会に提出しました。その後、洋楽の輸入盤も対象になることがわかり、CD輸入全般をも規制するのではないかと音楽ファンの間で危機感が強まり、反対署名運動等が巻き起こりました。日本レコード協会は、「音楽愛好者に何ら不利益、不自由を与えず洋楽レコードを提供していく」とのメッセージを出し、2004年6月の国会での可決に至りました。
* 関連記事は、11/14日経、2004/2/4日経、日経産業、2/16朝日、日経、2/17東京読売、東京読売(夕)、2/19朝日、2/26日経、2/29日経、3/4日経(夕)、3/5朝日、3/23東京読売(夕)5/14日経、朝日、5/23朝日、5/27日経産業、日経(夕)、5/28毎日、5/29東京読売等。

●日本レコード協会、著作権200万曲分、データベース化

* 日本レコード協会は、加盟レコード会社24社の楽曲や著作権者などの情報をまとめた楽曲情報データベースを構築、11月12日から運用を開始しました。CD16万枚、約200万曲をカバーして、放送事業者などが音楽を使用する場合の著作権にかかわる企業や個人を検索するのに役立てる目的との由。関連記事は、11/12日経産業。

●「日本出版社著作権協会」設立−出版著作権を集中的に管理

* 2004年3月6日、「日本出版著作権協会」が設立され、出版物の著作権を総合的に管理することとなりました。
* 関連記事は、2004/3/6毎日、毎日大阪、3/11朝日等。

●教材と著作権

* 塾の教材に作品を無断で使用したことをめぐって、作家らが仮処分を申請しました。3月12日、和解にこぎつけたようです。
* 関連記事は、3/12朝日、3/13東京読売、毎日等。

●編曲めぐりトラブル、PE‘SのCD出荷停止

* 人気ジャズバンド「PE‘Z(ペズ)」が発売した「大地讃頌」に対し、作曲家佐藤眞氏が作った曲の形を保持する権利を主張して提訴しました。発売元の東芝側は争う構えでしたが、ペズが佐藤氏側の言い分を認め、出荷、演奏停止に至りました。しかし、その後も「音楽とは何か」、「どこまでが楽曲の原曲なのか」をめぐって論議が巻き起こりました。
* 関連記事は、3/25朝日、東京読売、毎日、4/3朝日(夕)、4/13毎日(夕)等。

●音楽著作権の使用料、過去最高に

* 日本音楽著作権協会(JASRAC)がまとめた2003年度の音楽著作権使用料の徴収額は前年度比3.2%増え、過去最高となりました。CDなど音楽ディスクからの収入が9.7ポイント減に対し、DVDなどビデオ類が3.6%増で、音楽を楽しむ媒体の多様化がうかがえます。
* 関連記事は、5/20日経、日経産業、5/27日経産業。

●ウィニー事件、波紋広がる

* ファイル交換ソフト「Winny(ウィニー)」を開発した東大大学院助手が、5月10日に逮捕され、5月31日、著作権違反(公衆送信権の侵害)幇助罪で起訴されました。同助手は、2002年5月上旬からインターネット上でこのソフトを公開して無償で配信。市販の映画やゲームソフトを不特定多数のネット利用者に送信できるようにした著作権侵害を手助けした疑いがもたれています.これに対し、専門家からは幇助の概念を広く解釈しすぎているとの疑問も出され、不当逮捕と訴える声も挙がり、ネット社会の著作権問題の象徴的事件として大きな波紋を呼んでいます。
* 関連記事は、4/30毎日、5/10東京読売(夕)、毎日(夕)、日経(夕)、5/11大阪読売、東京読売、毎日、朝日、日経産業、日経、日経(夕)、5/12東京読売、毎日、朝日、日経、5/13日経産業、日経、日経(夕)、5/14朝日、5/15毎日大阪、朝日、5/19日経、毎日、大阪読売、5/25日経産業、日経、東京読売、5/26日経産業5/27日経産業、5/29東京読売、毎日、朝日、5/30毎日、日経、5/31大阪読売、東京読売、毎日、朝日、日経産業日経ほか多数。


(国立音楽大学附属図書館 市川啓子)