音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


著作権トピックス(2003.4.1-2003.9.30)
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著作権専門委員会-


 
   

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□参照した新聞:

日本経済新聞、日経産業新聞、日経流通新聞、日経金融新聞、朝日新聞、読売新聞、毎日新聞

□参照期間:    

2003.4.1-2003.9.30


●  著作権法改正案、5月閣議決定

* 映画・ビデオ・アニメ・ゲームソフトなどの保護期間を公表後50年から70年に延長、権利者の立証負担の軽減、「海賊版」による損害額算定の簡素化、教育機関などでの無許諾利用の拡大等を盛り込んだ著作権法改正案が5月13日に閣議決定され、施行は来年1月1日とのことです。また、文化庁は、一般市民に広く著作権のルールを理解してもらうため、条文を簡素化する方針を固めました。
* 関連記事は、6/16日経産業「著作権法改正、コンテンツ保護に軸」、6/23東京読売「著作権法、条文簡素化 文化庁が改正方針」、6/21朝日「著作権の『危機』って何だ」、7/23朝日「保護と利用(文化は誰のもの 第1部著作権の波間で 2)」等。

●  「貸与権」獲得に向けた動きと図書館

* 作家に貸し出しの権利を認める「貸与権」の獲得をめざして、6月26日に出版15団体で構成する「貸与権連絡協議会」が発足、来年度国会での著作権法改正を目指しています。現在、音楽CDやビデオをレンタル店で借りると、料金の一部が作曲家らに還元されますが、書籍と雑誌については、貸し本業界の反対から、法律の附則で貸与権の適応が除外されています。作家や出版社が連携を強めているのは、増加する書籍レンタル店への危機感からですが、図書館の貸し出しについても「補償金制度」を要求する方向で動き始めました。
* 関連記事は、7/10朝日「貸与権回復に協議会を設立」、7/20日経「『貸与権』獲得へ結束、出版界、貸し本代の還元求め、7/31朝日「書く側、貸す側(文化は誰のもの 第1部著作権の波間で 6)、8/6東京読売「レンタル本 新商法が出版文化脅かす懸念 時代に合った著作権制度必要」、9/18朝日「図書館の攻防(文化は誰のもの 第2部英米の模索:下)、9/30東京読売「図書館と著作権 三田誠広氏VS糸賀雅児氏」がありますが、特に最後の記事は、著作権制度と図書館のあり方を探る上で一読をお勧めします。

●  日本文芸著作権センターの運営開始

* 日本文芸家協会は、9月12日、協会内に新設した著作権管理部に著作権に関する普及啓蒙活動を行うNPO法人日本文芸著作権センターを設け、10月1日より運営を開始すると発表しました。記事は、9/13毎日大阪「10月から日本文芸著作権センターの運営開始」

●  地上デジタル放送開始に向けて

* 今年12月に始まる地上波デジタル放送の準備を共同で行うため、NHKと民放各社、電機メーカーなどは7月23日、「地上デジタル放送推進協会」を設立しました。放送番組の著作権保護などに取り組む予定です。また、NHKは、「限定受信方式」を導入する方針を決め、波紋を呼んでいます。
* 関連記事は、7/24東京読売「地上デジタル放送協会設立」、9/14朝日「NHKデジタル放送、受信限定へ専用カード 不正コピーを防止」、9/23朝日「デジタル放送、再生に制約?(声)」等。

●  音楽配信サービス

* 米国では、1曲99セントでパソコンに取り込め、CDにも焼けるアップルコンピュータのサービスが人気を呼んでいますが、日本でも本格化の兆しが見えてきました。
* 関連記事は、4/4日経「ヤフー、音楽無料配信―JASRACに著作権料」4/4日経産業「音楽ネット無料配信、ヤフー、著作権協会と契約、4/4日経流通MJ「やふー、JASRAC包括契約、音楽配信拡大なお課題」、5/21日経「総務省、著作権データ、体系を共通化―映像・音楽のネット流通促進」、5/23朝日「映像・楽曲情報を共有化 総務省、オンライン化の構想、8/5東京読売「音楽配信サービス、本格化する?So−net『聞き放題』開始へ」、9/18日経産業「アップルのCEO,音楽配信サービス、欧州来年開始」

●  ネット上の音楽無料交換

* ネット上での音楽の無料交換についての記事が、相変わらず多く見られます。6/27日経「全米レコード協会、ネットで音楽無料交換、大口利用者を提訴へ」6/27日経産業「音楽ネット無料交換訴訟」6/27朝日「音楽ファイル無料交換で個人矛先に提訴準備 全米レコード協会」、9/15日経産業「パソコン上の音楽ファイル、無料交換が大勢―米国の家庭調査」、10/1日経産業「ネット上無料音楽交換訴訟、米レコード協会52件和解、支払い最高1万ドル」

●学内LAN利用、違法音楽交換、大学苦慮

* 市販の音楽CDのデータを大学の構内情報通信網(LAN)を通じて不正に第三者と交換する学生が増えており、大学側が対策に追われているとの記事が目立ちました。
* 関連記事は、5/27毎日西部夕「20大学で著作権進学状態 レコード協会、LAN厳重管理要求」、5/28朝日「九工大学LAN、音楽『違法公開』レコ協、管理申し入れ」、7/30日経夕「違法な音楽交換、大学苦慮、学内LAN利用」

● カメラ付き携帯、美術館を困らせる

* カメラ付き携帯電話による「館内撮影禁止」の注意書きを無視しての撮影に、美術館や博物館が悲鳴を上げています。
* 関連記事は、4/23朝日「美術館困らせるカメラ付き携帯 手軽に撮影『やめて』」、6/27朝日「カメラ付き携帯電話での無断撮影に『困った』美術館」、8/26西部読売「美術館、困惑 カメラ付き形態で作品“盗撮”手軽さから?罪の意識低く」

●  国立国会図書館、電子化で知の開放

* 国立国会図書館関西館がインターネットを通じて、一般個人から資料の複写申込を受付けるサービスをはじめて着実な歩みを進めています。ただし、複写提供は著作権法が許容する範囲に限られているため、苦情が多いとのことです。
* 関連記事は、7/11毎日大阪「国立国会図書館関西館、増えるインターネット利用 電子化で知の開放着々」、8/17日経「国立図書館、ネット公開図書を追加(トピックス)」

●  日本作曲家協議会、楽譜の複写・複製問題に関する要望書をJASRACに提出

* 6月27日付で、(社)日本作曲家協議会は、(社)日本音楽著作権協会に対し、「発行された楽譜の複写・複製問題に関する要望書」を提出したとのことです。今後の動きが注目されます。(全音/田中明氏提供「GENERAL INFO,JULY 2003」より)

(国立音楽大学附属図書館 市川啓子)