音楽図書館協議会:Music Library Association of Japan


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MLAJ研究セミナー(2004.11.26)
講演 『お宝――大阪音楽大学 音楽博物館の場合』 抄録

塩津洋子(大阪音楽大学 音楽博物館)

 

 2004年に音楽研究所(1966年創立)と楽器博物館(1967年創立)が統合し、音楽博物館となる。

1■水野佐平コレクション

   

水野佐平氏(1891〜1972)は兵庫県伊丹市の筝製作家・邦楽器収集家。
1966年、邦楽器約70点を受贈。楽器博物館の創設基盤となる。 
初代菊岡太助製作の筝などの名品が含まれる。

2■サントリー弦楽器コレクション

ギター および シターン ヴィオラ・ダ・モーレ

1999年、サントリー創業100周年記念として、地元大阪に。
18世紀を主としたヨーロッパの弦楽器類76点を受贈。
ストラディヴァリやアマーティなど著名な製作家による作品が含まれる。
1999年 特別展・目録(写真集)刊行。 

3■白壁コレクション

 レコード収納棚  白壁コレクション目録

                                

白壁武弥氏(1905〜1981)は大阪の美容整形外科医師の草分け。
1967〜68年にSPレコード(戦前〜戦後)約7000枚受贈。主として外国版洋楽曲。

4■二世鶴澤清八浄瑠璃本コレクション

稽古本  番付

二世鶴澤清八(1879〜1970)は義太夫節の三味線方。学究的な演奏家として著名。
江戸期〜大正期の稽古本(1184点)を主とした約2000点。
2003年、目録刊行。
2004年、特別展・セミナー開催。

5■関西洋楽史資料・大学史資料

所蔵する最古の音楽会プログラム 明治24年 音楽書   明治24年

                      

軍楽隊をまねて組織した民間音楽隊
明治29年頃の写真
明治時代の音楽会をそっくり再現
「関西洋楽事始」 1992年開催

関西の洋楽活動を記録した資料約30万点を収集。明治期〜現在。
並行して大阪音楽大学の大学史資料も収集。
1968年「大阪音楽文化史資料 明治大正編」刊行。音楽クリティック・クラブ特別賞受賞。
1970年「大阪音楽文化史資料 昭和編」刊行。
1992年「関西洋楽事始」公演。大阪文化祭賞本賞受賞。
1999年「大正デモクラシー」公演。大阪舞台芸術奨励賞受賞。
関係論文多数発表。

6■陸軍第四師団軍楽隊の所蔵楽譜

明治21年〜大正12年に大阪の陸軍第四師団に置かれた軍楽隊が所蔵していた楽譜(スコア638点・パート譜814点)を、研究資料として受託(1993年〜2004年)。
筆写楽譜が大半。当時の洋楽演奏の最高水準を示す資料として重要。
許可を得て全複写を所有。現物資料は2004年より大阪歴史博物館に収蔵。
1998年、スコア目録刊行。]

ビゼー作曲 歌劇「カルメン」スコア 作曲者不詳 アルト・サキソフォーン協奏曲スコア

             

7■天神祭フィールドワーク記録資料

天神祭を録画した8ミリビデオテープ  10年間のフィールドワークの成果を出版

大阪を代表する祭り「天神祭」を1980年〜1990年の間毎年フィールドワークした記録資料( VHS 104本 8mmビデオ116本 カセットテープ258本 資料ファイル100冊 写真アルバム50冊)。芸能音楽を中心とした他に例を見ない綿密な取材。 
1994年「天神祭」刊行。   

総括
大阪に立地する音楽博物館として、大阪あるいは関西という地域性を大切にした資料収集と情報発信を心がけていきたいと考えている。全国の音楽図書館や音楽関連の資料館が、それぞれに特色をもった資料収集をすること、特に立地する地域を意識した資料収集に努めることを期待する。

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